石川県の観光スポットというと金沢が何かと注目されていますが、実は能登半島も欠かせません。
せっかく石川方面に旅行するのですから、思い切って能登半島へ足を伸ばすプランを立ててみてはいかがですか?
目次
車で行く能登半島
能登半島は海の幸が豊富で見どころ満載の優良観光地なのですが、一般道がメインの細長い半島なので、かなりのロングドライブになります。
能登半島の中心部に位置する「のと里山空港」までは自動車専用道路があるので、快適に走れます。でもそれ以外は一般道が多いので覚悟が必要です。
2つの自動車専用道路
能登半島の中心部、のと里山空港までは2つの自動車専用道路が利用できます。
富山方面から空港まで続く「能越自動車道」と、金沢方面から空港まで続く「のと里山海道」です。
北陸自動車道の小矢部砺波ジャンクションから先端の禄剛埼(ろっこうさき)までの移動距離は160キロにおよび、2時間30分~3時間ほどかかります。そのうち105キロほどは「能越自動車道」を走ります。小矢部砺波ジャンクションから高岡インターまでの区間は有料(普通車350円、軽自動車280円)ですが、その先は空港まで無料です。
金沢方面から車で行く場合は金沢市の内灘海岸付近から空港までの約88キロを結ぶ「のと里山海道」を利用します。全線無料です。
「能越自動車道」と「のと里山海道」は徳田大津ジャンクションで合流し、空港までは共通道路になります。
「能越自動車道」と「のと里山海道」は将来的には輪島までつながる予定になっています。
能登の見どころ
主な見どころには次のような場所があります。
能登随一の奇岩「見附島」
海岸にポツンと佇む標高29mの見附島は、その姿が巨大な船艦のように見えることから別名「軍艦島」と呼ばれています。
引き潮の時は岩場を伝って島まで渡ることができます。ただ、足場が非常に悪い上に、島まで渡っても特に何もないのであまりおすすめしません。
かつては島に見附神社の社殿が建っていたそうですが、浸食により島が削られた上に台風で社殿も倒壊。現在では沖に鳥居だけが残されています。
昭和30年代までは東側の岸壁から登ることができた、と案内板にありました。その名称が空海(弘法大師)に由来するという内容も書かれています。
夏には海水浴客のための施設やキャンプ場も人気なのだとか。オフシーズンは閉まっていました。
3月下旬から営業開始するようです。
近年では縁結びスポット「えんむすびーち」の名でも知られ、カップルで鐘を鳴らすと幸せになれるといわれています。
全国に知られる「ランプの宿」と空中展望台・青の洞窟
日本三大パワースポットの一つに数えられている聖域の岬「珠洲岬」には、一度は泊まりたい宿として有名な「ランプの宿」や、神秘的な「青の洞窟」、スリル満点の空中展望台「スカイバード」などがあり、人気の漢方スポットになっています。
崖から見下ろすと、遙か下方に見えるのが「ランプの宿」。古くから”最果ての聖地”と呼ばれ、船でしか出入りできなかったような海岸に建てられた世界的に知られる高級温泉旅館です。
宿への連絡路は、送迎の車がなんとか通れるようなクネクネ道しかありません。かなり面白い立地条件になっています。
それを見下ろすように設置されているのが空中展望台「スカイバード」。
実際、かなり怖いです。歩くと普通に揺れます。
先端から見下ろすとこんな感じ。高所が苦手な人にはおすすめしません。
遊歩道のある公園もつくられています。風が強いのか、木がみんな斜めになっています。その先が能登半島最先端の「聖域の岬」になります。
青の洞窟に行くには、反対側の坂を下っていきます。
青の洞窟の入り口です。
「空中展望台」と「聖域の岬」と「青の洞窟」のセットで1500円。洞窟見学にはヘルメットの着用が必須です。
ちなみに駐車場から見える3つのコテージのようなものは貸切別荘「望気楼」。時間貸ししてくれるようです。中に入ると床が揺れます。
半島の最先端にある灯台「禄剛埼(ろっこうさき)灯台」
能登半島の最先端にある灯台は珠洲市の禄剛埼(ろっこうさき)灯台。1883年(明治16年)に設置された年代物で、全国に23基あるAランク指定の保存灯台の一つです。
禄剛埼のある珠洲市狼煙町(のろしまち)は、その名が示すように沖を通る北前船が難破しないように灯台から狼煙を上げていたそうです。この岬は「海から昇る朝日と、海に沈む夕陽」が見られることで知られています。
県道28号線沿いにある「道の駅 狼煙」に車を止め、高台へ続く坂道を登っていくと公園があります。
その公園の先に灯台があります。
漁港側にある石階段を上っていく道もあり、こちらは灯台の真っ正面につながっているのですが、登り口がわかりにくいので下りの時に利用するのがいいかもしれません。
案内書きによれば禄剛埼灯台は日本で唯一、銘板に「菊の紋章が入っている灯台」なのだとか。右から縦書きで「明治十六年七月十日初點燈」と読めます。
現在は無人灯台のため中には入れませんが、年に数回一般公開日が設けられているようです。
能登半島の「道の駅」
能登半島を車で観光する場合、上手に利用したいのが「道の駅」。能登半島にある道の駅をマップで表したのがこちら。
先端にあるのが珠洲の「道の駅 狼煙」。
珠洲にはもう2ヶ所「すずなり」「すず塩田村」があります。
能登半島にある道の駅の中で、軽食やレストランがある道の駅は特に便利です。また、近年では電気自動車用のEV充電施設があるかどうかも重要になりつつあります。
道の駅 | レストラン | 軽食 | EV充電 |
千枚田ポケットパーク | ○ | ○ | |
いおり | ○ | ○ | |
桜峠 | ○ | ||
とぎ海街道 | ○ | ○ | |
輪島 | ○ | ○ | |
ころ柿の里しか | ○ | ○ | ○ |
のと里山空港 | ○ | ○ | |
狼煙 | ○ | ||
すず塩田村 | ○ | ||
すずなり | ○ | ||
のとじま | ○ | ○ | |
能登食祭市場 | ○ | ○ | ○ |
織姫の里なかのと | ○ | ○ | |
あなみず | ○ | ○ | |
のと千里浜 | ○ | ○ | ○ |
能登半島に電車で行く
能登半島は景観豊かなので、鉄道の旅にも向いています。特に有名なのは「花嫁のれん」と「のと里山里海号」です。
和倉温泉で観光列車同士並びました
のと鉄道観光列車 のと里山里海号
七尾線観光列車 花嫁のれん pic.twitter.com/rP1JGithy8— ジョイフルドリーム✨(ドリームツアー) (@Joyful_485Dream) December 22, 2019
観光列車「花嫁のれん」
能登半島には人気の観光列車「花嫁のれん」が走っています。
花嫁のれんは金沢ー羽咋ー七尾ー和倉温泉を結ぶ列車で、能登ならではの里山や海岸風景を楽しみながらおいしい食事を堪能する優雅なひとときを過ごせます。
特急花嫁のれん3号、和倉温泉行なうw pic.twitter.com/INTKf90WmW
— もりもり (@tetudouzuki) January 12, 2020
指定席特急券の料金は通常期でおとな1,390円、こども690円。乗車券は金沢ー和倉間で大人1,410円、こども700円。
なお、食事(弁当セット)は出発の4日前までに「花嫁のれん食事券」の申し込みが必要です。
のと里山里海号
七尾ー和倉温泉ー穴水を結ぶ「のと里山里海号」は、通常列車が40分で走る穴水ー七尾間を約60分かけてゆっくり走る観光列車です。車窓風景が楽しめる複数の場所では一時停止してくれます。
のと鉄道里山里海号に乗りました!
あいにくの天気でしたが、ガイドさんの声を聞きながら七尾湾の絶景を楽しむことができました
ローカル鉄道ならではの温かみも感じられました
のと鉄道は七尾駅からレーダー投げればコンプ可能ですが、是非1度乗るべき電車です! pic.twitter.com/37QfDbwOJp— スピ (@Caspisea8) January 5, 2020
のと里山里海号には月・火・木・金に運行するカジュアルコースと、土・日・祝日および指定日に運行するゆったりコースがあり、ゆったりコースには「スイーツプラン」「寿司御膳プラン」「ほろ酔いプラン」も用意されています。
カジュアルコースの運賃は普通運賃+310円。ゆったりコースは大人1,530円、こども1,020円です。
穴水から先は路線バスが便利
残念ながら穴水から先は鉄道がありません。以前はのと鉄道能登線が穴水駅から珠洲市の蛸島駅まで運行していたのですが、残念ながら2005年に廃線となりました。
その代わりに穴水から先は路線バスが発達しています。奥能登エリアの路線バスは半島の隅々まで行き渡っているので、バスで行けない観光スポットはほぼありません。
おすすめはバスツアー
車なしの旅を満喫する方法はあります。電車で和倉まで行って和倉温泉に一泊。翌日の朝に出発するバスツアーに参加するのがおすすめです。
バスツアーには次のようなコースがあります。
「あさいち号」
【見学場所】輪島朝市・輪島塗会館、白米千枚田、輪島キリコ会館、ビュー・サンセット(昼食付)、巌門、妙成寺、千里浜なぎさドライブウェイ
ななお号
【見学場所】一本杉通り商店街・花嫁のれん館、巌門、気多大社、コスモアイル羽咋、千里浜なぎさドライブウェイ
おくのと号
【見学場所】輪島朝市・輪島塗会館、輪島キリコ会館、白米千枚田、道の駅すず塩田村、珠洲ビーチホテル・珠洲焼資料館(昼食付)、見附島
バスツアーを利用することで、代表的な見学スポットを乗り換えなしで効率よく見て回ることができます。各コースの詳細は公式サイトで確認してください。
まとめ
以上、能登半島の回り方・見どころについてのまとめでした。能登半島の観光は自動車で回るのが楽かもしれませんが、ドライバーの負担はかなりのものなので、その負担を減らしたければ鉄道&定期バスツアーがいいかもしれません。
時間がゆっくりとれるのであれば路線バスの旅も楽しいと思います。土地の魅力を直に感じたければ路線バスが一番です。
見どころ満載の能登半島は短時間で回るのは難しいと思います。十分な日程を取ってのんびり楽しめるといいですね。