アートの島として海外からも人気を集めている瀬戸内海の直島を歩きました。12月上旬のよく晴れた日で、歩くと汗ばむくらいの陽気に恵まれました。
青い空と美しい海、豊かな自然を楽しみながらのアート鑑賞は、他では味わえない開放的な癒しの時間でした。
はじめての直島だったので備忘録も兼ねて順を追って紹介していきます。行くときの参考にしてください。
目次
フェリーで直島へ渡る
高松空港から入ったので、高松築港(たかまつちっこう)からフェリーで直島へ渡りました。
高松から直島へ向かう便はフェリーと高速船があるのですが、その料金と時間に差があります。
料金 | 時間 | |
フェリー | 片道520円 | 高松⇒直島60分、直島⇒高松50分 |
高速旅客船 | 片道1,220円 | 30分 |
高速船のほうが速いのですが、その分料金もフェリーの倍以上になります。
とはいえ、その時のタイミングにもよりますから、あらかじめ時刻表を確認しておく必要があります。
私たちが港に着いた時は、次のフェリーに乗ったほうがそのあとの高速船に乗るよりも早く直島に着く計算だったので、迷わず安いフェリーを選びました。
フェリーのよい点は、広いデッキに出て高い目線から景色が眺められることです。
しかも直島行きのフェリーだけあって、なにげにアート作品が飾られていて楽しめます。
出航してすぐに、右手に女木島の灯台が見えました。
船室のモニターで進路がわかります。宮浦(宮ノ浦)港へ直行です。
平日だったので結構空いてました。
出発から40分。直島にかなり近づいてきました。いろいろ見えます。
ベネッセハウスミュージアムかな?
もうすぐ宮ノ浦港に着きそう・・・あ、もう見えました。赤かぼちゃ!
本当に港のすぐ近くに設置されているんですね。
到着後は早速、草間彌生作『赤かぼちゃ』へ。
大きな穴が開いていて、中に入れるようになっています。
美しい赤が目に焼きつくような『赤かぼちゃ』。思っていたよりも大きいかぼちゃでした。
宮ノ浦港から直通バスで地中美術館へ
宮ノ浦港から地中美術館へ行くには、町営バスで本村(ほんむら)港経由でつつじ荘までぐるっと回り、そこからシャトルバスで美術館を巡るのが定番となっています。
でも昼の12時に宮浦を出発する一便だけは、町の中の狭い道を通って最短距離で地中美術館に直行するバスです。これに乗って地中美術館へ行き、そこから徒歩でつつじ荘まで下りてくるコースを選びました。
港には休憩所、船のチケット売り場、カフェ、お土産ショップが一緒になった施設があります。
バスを待つ間に、周辺を散策してきます。
赤い水玉模様のバス。さすが直島。
レンタカーも水玉。しかも赤と黄色。
ジョセ・デ・ギマランイス作『BUNRAKU PUPPET』。直島女文楽から発想を得て制作したものだとか。
藤本壮介作『直島パヴィリオン』。直島町町制施行60周年記念で制作されました。中に入ることができます。
そして、直島パヴィリオンのまん前にあるのがポケモンGOの「ポケふた」。香川県=うどん県=ヤドンです。
朝は曇っていたのですが、いつの間にかカラッと晴れていい天気になりました。海が綺麗です。
バスの時間になったので、そろそろ出発します。
地中美術館から李禹煥美術館まで歩く
バスで6~7分ほどで地中美術館のチケットセンターへ到着。ぐるっと回る町営バスなら本村港経由の途中乗換えで30分近くかかるので、直通はありがたいです。
とはいっても、島内の美術館はどこも撮影厳禁なので、写真で紹介することはできません。
地中美術館 | |
開館時間 | 3月1日 ~ 9月30日 10:00 ~ 18:00( 最終入館17:00 ) 10月1日 ~ 2月末日 10:00 ~ 17:00( 最終入館16:00 ) |
休館日 | 月曜日 ※ ただし、祝日の場合開館、翌日休館 開館カレンダー |
鑑賞料金 | 2,100円 ※15歳以下無料 |
⇒公式サイト | |
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地中美術館を出て、道路をそのまま下っていくと7~8分で李禹煥(リ・ウーファン)美術館への分岐が現れます。分岐にはゲートがあり、係員がいて教えてくれるので迷うことはありませんでした。
ゲートを通ってから2~3分で李禹煥美術館に到着。李禹煥美術館は屋外展示だけなら見学は無料です。
美術館の前は芝生の庭。広くてなだらかな斜面になっていて、海まで見渡せます。
2019年7月より一般公開されている『無限門』。中を歩くこともできます。
李禹煥(リ・ウーファン)美術館 | |
開館時間 | 3月1日 ~ 9月30日 10:00 ~ 18:00( 最終入館17:30 ) 10月1日 ~ 2月末日 10:00 ~ 17:00( 最終入館16:30 ) |
休館日 | 月曜日 ※ ただし、祝日の場合開館、翌日休館 開館カレンダー |
鑑賞料金 | 1,050円 ※15歳以下無料 |
⇒公式サイト | |
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李禹煥美術館からベネッセミュージアムまで歩く
李禹煥美術館を出て、さらに先へと歩いて行きます。
海が見える道は絶景続き。遠くに見えるのは高松。
海岸を見下ろせる場所もあって、とても気持ちのよい散歩道です。
李禹煥美術館からベネッセハウスミュージアムまでは10分くらい。前方に建物が見えてきます。
その少し手前に右へ降りる道があり、その下に蔡國強 作 『文化大混浴 直島のためのプロジェクト』が設置されていました。
奇岩が立ち並んでいる海に面したスペースの真ん中にバスタブが埋め込まれている作品。
お風呂が本当に使えるのかどうかはわかりませんでした。
道に戻ったところで海岸を見下ろすと、砂浜にも野外アート作品が設置されているのが見えます。
先へ進むと、ほどなくベネッセハウスミュージアムに着きます。
ベネッセアートミュージアムの中も撮影禁止です。
ベネッセハウスミュージアム | |
開館時間 | 8:00〜21:00(最終入館20:00) |
休館日 | 年中無休 開館カレンダー |
鑑賞料金 | 1,050円 ※15歳以下の方とベネッセハウス宿泊者は無料 |
⇒公式サイト | |
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ベネッセミュージアムを出て海岸へ下る
ベネッセハウスミュージアムの前の道路脇に、海岸方向へ下りる道があります。そこから下の野外アートスペースに行けます。
野外アートスペースは無料で見ることができます。下の写真はジョージ・リッキー作 『三枚の正方形』。真ん中のプレートだけ風を受けてゆらゆらと揺れ動きます。
砂浜へ下りていくと2つの作品が置いてありました。
大竹伸朗 作『シップヤード・ワークス 船尾と穴』。太陽の向きがちょうどよかったみたいです。
おなじく大竹伸朗 作で、『シップヤード・ワークス 切断された船首』。
大竹伸朗氏は後述する『直島銭湯「I♥湯」』も手がけています。
シーサイドギャラリーと呼ばれる階段広場は安藤忠雄氏による設計。
階段の脇を下りていったところにウォルター・デ・マリア 作『見えて/見えず 知って/知れず』があるのですが、写真を撮り忘れました。
外にある2個のGANTZ玉(違)正しくは、ウォルター・デ・マリアの「見えて 見えず知って 知れず」。 pic.twitter.com/pR29TEdWto
— ゆみこ (@yumiko178) March 19, 2017
さらに、階段を上ったところには片瀬和夫 作『茶のめ』が設置されています。
海岸線を『南瓜』まで歩く
ここから少し歩くと、草間彌生作『南瓜』がある海岸まで下りていくことができます。といってもそれなりの距離がありますが・・・。
途中にあるのはベネッセハウスビーチ(宿泊施設)、ベネッセハウステラスレストラン、ベネッセハウスショップなど。
ショップの前に設置されているのは、ニキ・ド・サンファール 作『腰掛』。
ショップでは草間彌生グッズも販売されていました。
もう少し進むと『南瓜』が置かれている堤防が見えてきます。順番待ちの列も見えます。
草間彌生作『南瓜』は、行儀良く順番を待っていれば必ず写真が撮れます。でも冬場の日中だとたいていは逆光ですね。
海側から撮るとこうなります。
反対側から。南瓜を置く向きって、いつも同じなのでしょうか。
本当にかわいいかぼちゃですね。海とよくマッチしています。これを見るために来たといっても過言ではありません。晴天で本当によかった~。
ここからもう少し先に「つつじ荘」という海の家的な施設があり、その前にバス停がありますます。
12月はもう営業していないのかな。ここにも草間彌生グッズを扱うショップがあると聞いていたのですが・・・。
バスに乗り、本村回りで宮ノ浦港へ戻ります。今回は時間がないので本村港周辺の「家プロジェクト」は無念のパス。ただし、宮ノ浦ではまだ見なければならないものがあります。
本村港(直島港)の名物待合室が、バスからちょっとだけ見えました。
バスはつつじ荘で結構な人数が乗ったので満席。本村からの途中乗車はかなり厳しそうでした。
宮浦港で銭湯見学&食事
宮浦港に戻ったら、直島銭湯の見学です。そして食事です。お腹が空きました。
まずは港から歩いて5分ほどの場所にある直島銭湯へ。
銭湯への道中、レンタサイクルのショップを見ました。自転車で回るのも楽しそうですね。
レンタルバイクもあるようです。
で、こちらが大竹伸朗プロデュースの『直島銭湯「I♥湯」』。噂にたがわず、凄い存在感です。
上のほうまで凄いです。
かっこいいですね。
見ていて飽きません。
本当は中も見たかったのですが、お風呂に入っている時間はありませんでした。
次は船に乗る前に食事です。途中、気になる店があったので・・・。
こちらです。ひらめ料理が食べられる「ゆうなぎ」。
ひらめって、やっぱり高級魚っぽいですからね。値段は少々高めです。
こちらがヒラメ唐揚げ定食。
そしてこちらがヒラメ煮付け定食。
ものすごく美味しかったので、隅々まで身をほじって食べていたら凄く時間がかかってしまいました。
フェリーで高松へ
船に乗る頃には、すっかり夕暮れっぽくなっていました。
フェリーが来る前にもう一度『赤かぼちゃ』へ。
フェリー乗船の直前。海に夕日が沈みます。名残惜しいのですが、直島とお別れです。
帰りも穏やかな海を50分ほど走り、高松に着いたらもうすっかり夜でした。
私は翌日に金刀比羅宮参りと小豆島めぐりをするつもりで高松にホテルを取っていましたが、直島から岡山へ渡る場合は宮浦港・本村港どちらからでも船が出ており、岡山の宇野港まで20分ほどで行くことができます。その場合は夜遅くまで便があるので、直島でもう少しゆっくりしていても大丈夫です。
直島の野外(屋外)アートのマップ
直島の主な野外アートを記したマイマップを作成しました。
おわりに
以上、はじめての直島めぐりのレポートでした。
船やバスの時刻を下調べして、帰ってこられなくなることだけは避けようと気をつけていました。でも島は実際歩いて見ないとわからないものですね。
今回は昼のバスに乗れたので、地中美術館に直行して、そこから下りラインを歩いて下りてこられました。らくらく快適ルートです。はじめて直島に行く人にはおすすめしたいコースではないでしょうか。
アート満載の直島。国際芸術祭は11月で終了していましたが、オフシーズンの初めということで観光客も少なめ。のんびり回るには最適の時期だったのではないかと思っています。