富山に旅行した時に印象に残った美術館が2つあります。その2つはどちらも富山市の中心部にあって、しかも2ヶ所の間は歩いて行き来できる程度しか離れていません。これから富山観光をしようと考えている人にはぜひスケジュールの中に加えて欲しい美術館です。今回はこの2つのアートスポット、「富山市ガラス美術館」と「北銀ギャルリ・ミレー」について紹介したいと思います。
目次
内部のインスタ映えがヤバい「TOYAMAキラリ」
富山市ガラス美術館は富山市の繁華街にある複合施設「TOYAMAキラリ」内にある美術館。このTOYAMAキラリの内装自体がインスタ映えすることで有名だったので、一度行ってみたいと思っていました。
TOYAMAキラリにはガラス美術館以外に富山市立図書館やカフェ、ミュージアムショップが入っています。
2階から6階の天窓まで見通せる変形吹き抜け構造は、他ではちょっと見られないような特殊な光景です。
建物内部は撮影OKで、吹き抜けを撮影するためのフォトスポットも用意されているほど。写真を撮りに来たくなりますよね、これは。
このいかにもな建物の建築を手がけたのは隈研吾(くまけんご)氏。新国立競技場や根津美術館など、和のテイストを生かしたデザインで有名です。
ガラス美術館は2~6階
美術館の展示室は2階から6階までのフロアーに分散しており、企画展やコレクション展が開催されています。
それぞれのフロア全体が展示スペースというわけではなく、半分ほどは図書館のスペースになっています。
常設は4階コレクション展と6階グラスアートガーデンがセット。料金は一般・大学生200円とリーズナブルです。
その他のフロアは企画展で、それぞれ料金が異なります。
今回はコレクション展以外に、
『マルタ・クロノフスカ 不思議ないきもの』
『北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック ーモダン・パリのエレガンスー』
が開催されていました。今回は全部共通で1,000円でしたよ。
マルタ・クロノフスカ展が見応えあり
今回はマルタ・クロノフスカ展がなかなかのもので、楽しく観賞しました。様々な絵の中から動物をピックアップし、それをスケッチした上でガラスのピースを組み合わせて再現・実体化するという試みです。
もとになった作品(カンバス地にプリントした複製)とガラスの動物をセットにして展示していました。
どのコレクション展・企画展とも撮影禁止でしたが、マルタ・クロノフスカの展示会は入り口の作品だけ撮影可になっていました。
旅先で思いもよらない良質の展示会に出くわすと、何だか運命のようなものを感じます。
写真撮影OKなグラスアートガーデン
6階のグラスアートガーデンは写真撮影がOK。撮影し甲斐のある作品が並んでいるのでインスタ映えを狙うならピッタリの場所です。
作品は全て、近代ガラス美術の巨匠と呼ばれるデイル・チフーリ氏によるもの。インスタレーション(空間芸術)というジャンルだそうです。
天井からぶら下がるガラスのオブジェ。日本の伝統色である深緋(コキヒ)・瑠璃色(ルリイロ)・鬱金色(ウコンイロ)のシャンデリアです。作品名も「シャンデリア」。
作品名は「トヤマ・リーズ」。剣山のようにとがった青いガラスの針山?リーズというのは葦(あし)のことだそうで、これは葦原なんですね。
「トヤマ・ペルシャン・シーリング」。通路の天井一面が色とりどりの花のパーツで飾られています。
でも花かと思ったら、違いました。解説によると海の生き物や天使だそうです。
よくよく探してみると、天使っぽい子がいました。
トヤマ・フロート・ボード。美しいガラス球と笹舟の組み合わせ。
笹舟は富山の神通川で漁に使われていたものだそうです。言われてみれば、年季が入ってる・・・。
最後に登場したのがトヤマ・ミルフィオリ。イタリア語で「富山の千の花」という題が付けられたこの作品を前にすると、うっとり見惚れて時間を忘れます。
ほの暗い展示室に美しくも妖しく咲き乱れるガラスの花々は、幻想の世界に迷い込んだかのような錯覚を起こさせます。
ガラスのアートがこれほどすばらしいものだとは、正直思っていませんでした。繊細な感性と高い技術の融合で、艶やかな空間がつくりだされています。
これが見られただけでも、ガラス美術館に行ってよかったと思いました。
ガラス美術館へ車で行く場合
車で行く場合、北陸自動車道の富山I.Cを下りて国道41号を北上。一番町南の交差点で右折すればすぐ、時間にして約15分で着きます。
国道41号はまっすぐでわかりやすい道ですが、とても混雑します。運転には十分注意したほうがいいでしょう。
ガラス美術館に専用駐車場はありませんが、道路を挟んだすぐ隣に西町パーキングという駐車場があります。
ガラス美術館へ電車・バスで行く場合
富山駅から富山市内軌道線1系統「南富山駅前行き」に乗って「西町」で下車します。または3系統「環状線」に乗って「グランドプラザ前」で下車してもOK。西町の方がやや近いようです。
富山市内軌道線は路面電車で、昔は富山市電でした。
バスも富山駅前から西町を通るバスが出ています。
ガラス美術館のあとで立ち寄りたいギャルリ・ミレー
実はガラス美術館の近くに、超穴場として知られる美術館があります。北陸銀行が運営するまちなか美術館「ギャルリ・ミレー」です。
中央通りのアーケード内にある小さな美術館ですが、北陸銀行が所蔵するジャン=フランソワ・ミレーやジュール・デュプレ、カミーユ・コローなどの名画が並びます。
本物の名画が観賞できる美術館として口コミで広まりつつある、知る人ぞ知る穴場的なスポットです。しかも入場料は一般300円、学生200円、小学生以下は無料です。
館内ではミレーをはじめとしたバルビゾン派の画家たちの活動について学ぶことができ、正直、面白かったです。これで300円は安い!これは行かない理由が見当たりません。
館内は当然撮影禁止ですが、外のショーウインドウに複製画がずらっと並んでいます。
美術鑑賞が出来る商店街、いいですね。
ちなみにこのアーケードの横には駐車場もあるので、車で来ても大丈夫そうです。
アーケード内にミニシアター発見
中央通りの商店街を抜けて帰る途中で、気になるお店を発見しました。1階のお店は「HOTORI」、2階は「ほとり座」という名前のようです。
1階はカフェのようですが、2階はどうやらミニシアター。
これって1,500円払えばずっと観ていていいやつかな?
時間があったら入ってみたかった!こういうのいいなあ・・・。
あとから公式サイトを見たら、「カフェの中で映画を観る」お店だそうです。1階で購入したものは2階に持って上がっていいみたい。
このアーケード、結構楽しそうなんですけど・・・。
まとめ
ちょっと脱線してしまいましたが、とにかく富山市ガラス美術館とギャルリ・ミレーはセットでどうぞ、という紹介でした。
特にギャルリ・ミレーはあまり知られていないんじゃないでしょうか。ほんとに穴場です。料金が安くて中身が濃い。こんなにコスパの良い美術館、ほかには知りません。
富山には他にも富山県美術館や佐藤記念美術館、富山県水墨美術館など、アートスポットがあります。機会があったらぜひ行ってみてくださいね。