京都の都市部に広大な敷地を持つ平安神宮。古式ゆかしい神社が多い京都で、大きいながらもポツンとある平安神宮を見て、このような広さの神宮がなぜここに、いつ頃から建っているのかと不思議に感じる人もいると思います。
人気のフォトスポットでもある平安神宮について紹介します。
平安京・朝堂院を縮小復元
平安神宮は平安遷都1100年を記念して建てられた神社です。
社殿は平安京の大内裏・朝堂院の形式を模して造られており(実物の8分の5の復元)、1895年(明治28年)に現在の岡崎公園がある場所で開催された第四回内国勧業博覧会の目玉でもありました。
内国勧業博覧会が終了したのち、跡地は現在の岡崎公園と平安神宮として再整備され、今日に至っています。
ご祭神は桓武天皇と孝明天皇
神宮という名称からもわかるように、平安神宮は神様を祀るのではなく、第50代桓武天皇と第121代孝明天皇を祀っている神社です。
明治28年の創建当初は桓武天皇だけでしたが、昭和15年に孝明天皇が合祀されています。
桓武天皇は平安遷都を行った天皇。内政を整えるとともに広く海外とも交易して国の発展に努めました。
孝明天皇は平安京で過ごした最後の天皇。近代日本への過渡期において内外の情勢を注視し明治維新の基礎を開いたとされています。
平安神宮はご利益をいただくというよりも、純粋に「平安な日々を過ごせるように」と祈願する神社です。家内安全や商売繁盛、交通安全、心願成就、厄除けの祈願ができます。
白虎と蒼龍
平安神宮の太極殿の左右には白虎楼と蒼龍楼が建っています。2つの楼郭は平安京が東西南北に四神を見立てて建設されたこと(四神相応の地)に因んで建てられたものです。
下の写真が蒼龍楼。
そして下が白虎楼。
中国神話を発祥とする、天の四方の方角を司る霊獣。東の青龍(蒼龍)・南の朱雀・西の白虎・北の玄武の四獣は日本でもさまざまな事物に影響を与えている。
太極殿前の広場には白虎楼・蒼龍楼に呼応する形で、のちに奉納された白虎像と蒼龍像が置かれています。
下の写真は白虎像。四神の白虎とは異なり、リアルな虎の姿をしています。
下が蒼龍像。
どちらも見ごたえのある像なのでお見逃しなく。
10000坪の広さを誇る神苑
平安神宮を訪れた際に、ぜひ見学したいのが、建物の周りを取り囲むように造られた神苑です。南神苑・西神苑・中神苑・東神苑の4つで構成されており、その総面積は33000平方メートル(約10000坪)にも及びます。
国の名勝にも指定されている神苑は四季折々の美しさが魅力。ひときわ目立つ東神苑の泰平閣(橋殿)と尚美館(貴賓館)は、京都御所から移築したものです。
平安神宮神苑すごく素敵でした!!!次は春とかに行きたい!!! pic.twitter.com/9Aom98I4lk
— まつり (@hnsk_218) November 13, 2021
また、南神苑の端には平安神宮が創建された明治28年に京都で開通・運行していた日本初の電車が保存されています。
平安神宮神苑にて、京都市交通局二号電車https://t.co/Ia2Ba73G6x
堀川線(北野線)は京都電気鉄道が西洞院通、堀川通、中立売通に敷設し京都市に買収された路線で、比較的早い時期に廃止されました。市バス50号系統が代替路線となっていますが、恐らく利用したことがないので一度乗ってみたいです。 pic.twitter.com/YM3XwZIbQC
— 賀茂川の水 (@ShirakawaYobune) November 11, 2021
大鳥居
応天門へとまっすぐ続く神宮道にそびえ立つ大鳥居は岡崎公園一帯のランドマークです。
この大鳥居は昭和3年に昭和天皇の御大典が京都で行われたのを記念して造営されたもの。当時は日本一の大きさを誇っていましたが、令和3年時点では全国で9位となっています。
まとめ
以上、京都の中心にあるパワースポット、平安神宮について紹介しました。
京都の市街地にありながら閑静な雰囲気を持つ空間は、訪れるだけで心が洗われるような清々しさがあります。平安京の宮城を再現した美しい建築物は奈良観光では欠かせないおすすめのフォトスポットでもあります。
名称 | 平安神宮 |
住所 | 京都市左京区岡崎西天王町97 |
アクセス | JR京都駅からバス 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 徒歩5分 |
⇒公式サイト | |