1160年以上の歴史を持つ墨田区の牛嶋神社。社名のとおり牛にちなんだものがたくさんある神社です。
隅田の鎮守として親しまれている牛嶋神社の見どころについて簡単に紹介します。
本所の総鎮守
牛嶋神社は860年頃に慈覚大師が神託を受けて創建したという、東京でも指折りの歴史ある神社です。
平安時代には源頼朝の寄進を受けて大きく発展しました。頼朝の大軍が洪水で隅田川を渡れずに難儀した時、武将の一人・千葉常胤に牛嶋神社へ祈願させたところ水が鎮まったのが寄進の理由とされています。
旧東京市本所区の総鎮守だったこともあり、長年に渡り隅田の地域全体の崇敬を集めている神社です。
須佐之男命が主祭神
主祭神はヤマタノオロチ退治で有名な須佐之男命(スサノオノミコト)。五穀豊穣、厄除開運、縁結びの神様です。
過去には葛飾北斎が巨大な絵馬「須佐之男命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)」を奉納。残念ながら1923年に起きた関東大震災で焼失してしまいましたが、モノクロ写真をもとに復元した原寸大パネルが展示されています。
葛飾北斎が牛嶋神社へ奉納した「須佐之男之命厄神退治之図」。当時は彩色されていましたが、今はモノクロでしか残存せず。作品の復元に挑む!!https://t.co/tI6C0wEsMI … pic.twitter.com/RWFZPd03n6
— 浮世絵_Love (@ukiyoelovers) October 24, 2020
三ツ鳥居
牛嶋神社は珍しい三ツ鳥居(みつとりい)があることでも知られています。三ツ鳥居は三輪鳥居とも呼ばれており、一般的な明神鳥居の両脇に小さい鳥居が合体した特殊な形をした鳥居です。
三ツ鳥居のある神社は檜原神社(奈良)、三輪神社(愛知)、白峰宮 (香川)など全国で23ヶ所で確認されています。
狛牛(こまうし)
牛嶋神社では狛牛(こまうし)が本殿を守っています。神の使いである牛らしい堂々とした姿をしており、鋭い目つきが印象的です。
歴史を感じさせる風貌の狛犬も設置されています。とても愛らしいユニークな表情をしています。
撫牛(なでうし)
境内にある撫牛(なでうし)は、自分の悪い部分と同じところを撫でると病気が治ると言われています。
撫牛のご利益は心身回癒とされており、心の治癒にも効果があるとか。優しそうな顔に癒されます。
お祭り
5年に一度の例大祭では黒牛が曳く鳳輦(牛車)を中心とする行列が巡行する神幸祭が行われます。
鳳輦神幸祭(牛嶋神社大祭)
大きくて黒い牛が鳳輦(牛車)を曳いて氏子地域を巡行します。すごい優しい目をしている…#神社 #向島 #隅田公園 #牛嶋神社 #鳳輦神幸祭 #鳳輦 #牛車 pic.twitter.com/sO8oK28Jt2
— 匕〒”キ@イシ夕” (@hideki27fc5) September 16, 2017
福牛みくじ
牛嶋神社では授与品として干支みくじが用意されており、撫牛をモチーフにした福牛みくじも入手できます。黄色い目をしたかわいい黒牛は置き物としてもおすすめです。
牛鬼伝説・牛御前
牛嶋神社は鎌倉時代から伝わる牛鬼伝説のゆかりの神社です。
浅草寺に出現した妖怪・牛鬼が悪気を放って僧侶たちに病をもたらし、隅田川の対岸の牛嶋神社に飛び込んで牛玉というものを残して消えた、という話。牛玉は社宝として神社に納められているとか。
また、牛嶋神社は創建当初”牛御前”とも呼ばれており、しばしば牛御前の伝説と関連付けられることがあります。
牛御前は平安時代の武士・源満仲の娘。牛のような風貌で生まれたために疎まれ続け、父や兄に追われて隅田川に入水し、巨大な怪物となって大雨をもたらしたとされています。
まとめ
以上、墨田区にある牛嶋神社の紹介でした。
牛嶋神社の隣の隅田公園は周辺の人々の憩いの場。都内では貴重なのどかな場所にある牛嶋神社は癒し空間でもあります。
浅草や東京スカイツリーに出かけた折りには、ちょっとだけ足を伸ばしてお参りしてみてはいかがでしょうか。
名称 | 牛嶋神社 |
住所 | 東京都墨田区向島1-4-5 |
アクセス | 都営浅草線「本所吾妻橋駅」または東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩5分 |
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