東京駅や有楽町駅、銀座駅の周辺にはパブリックアートがたくさんあります。有名な作家の名作ぞろいで、見ごたえ十分なアート散歩ができます。以下に主な作品を紹介します。
東京駅周辺のパブリックアート
LPJブラート《ヤン・ヨーステン像像》
オランダ人彫刻家のLPJブラートによる《ヤン・ヨーステン像》。独特の眼光を持ち、インパクトのある作品。ヤエチカの外堀地下1番通りと南口通りの交差点あたりにあります。
ヤン・ヨーステンはウィリアム・アダムス(のちの三浦按針)らとともに豊後(大分県)の臼杵に漂着したオランダ人航海士で、徳川家康に召し抱えられて外交顧問となった人物。彼の和名ヤヨウスが現在の八重洲の語源とされています。
吉岡徳仁《STAR》
東京ミッドタウン八重洲の東京駅側エントランスの前に設置されているトゲトゲの作品がデザイナーの吉岡徳仁による《STAR》です。
八角形にカットされた2000本以上のステンレスミラーの棒が集結した形の作品は直径が10m以上もある大作。見る角度や時刻によって映る色が変わります。
東京ミッドタウン八重洲は2023年3月にオープン予定の大型複合施設。本作品はオープンに先駆けて2022年9月に公開されました。
栗林隆《Mountain Range》
《STAR》と同じく東京ミッドタウン八重洲のオープンに先駆けて公開された現代美術家・栗林隆の《Mountain Range》。《STAR》の反対側、あおぎり通り側の屋外に設置されています。
分断された山の断面はミラーになっており、間を歩いて通ることで合わせ鏡の不思議な空間に迷い込んだ気分になります。
安田侃《意心帰》
東京国際フォーラムのホールA前の広場に設置されているのは、彫刻家 安田侃(やすだかん)による《意心帰》です。
【東京国際フォーラム 地上広場】10月末飯田橋でも紹介したミラノ在住の彫刻家である安田侃氏。こちらにもありました。大理石の1991年作品。 #パブリックアート 安田侃(かん)「意心帰(いしんき)」
東京都千代田区丸の内3-5-1https://t.co/pcN1NDmBQu(Googleマップ情報)#KanYasuda #publicart pic.twitter.com/i6oDuXySbk— ギャラリーボヤージュ (@gallery_voyage) November 8, 2021
北海道美唄市出身でイタリアに拠点を置いて活躍する安田侃は大理石とブロンズの作品を多く制作しており、北海道には札幌駅コンコースを始め数多くのパブリックアートが設置されています。東京都内でも7か所ほどあります。
三沢厚彦《Animal 2017-01-B2》
「ANIMALS」シリーズの彫刻で知られる三沢厚彦の作品《Animal 2017-01-B2》。
独特の感性でつくられた個性的なクマは、丸の内オアゾ前の風景の中に不思議と違和感なく収まっています。
パブロ・ピカソ《ゲルニカ》陶板複製
丸の内オアゾ1階の○○(おお)広場に展示されているのはパブロ・ピカソの名作《ゲルニカ》の陶板複製作品。彫刻の森美術館で展示されていたものを2004年のオアゾのオープン記念に移設しました。
スペインがドイツ空軍による無差別爆撃を受けた時の様子を描いた作品で、ほぼ原寸大のレプリカ。オリジナルはマドリードの「ソフィア王妃芸術センター」にあります。
丸の内ストリートギャラリー
三菱地所と彫刻の森芸術文化財団が芸術性豊かな街づくりを目指して仲通りにて1972年に始めた「丸の内ストリートギャラリー」。数年ごとに作品の入れ替えがあります。
2022年10月30日時点では、次のアーティストの作品が展示されています。
1.キム・ハムスキー
2.ジム・ダイン
3.中谷ミチコ
4.草間彌生
5.澄川喜一
6.ヘンリー・ムーア
7.バーナード・メドウズ
8.アギュスタン・カルデナス
9.H&P.シャギャーン
10.舟越桂
11.名和晃平
12.パヴェル・クルバレク
13.イゴール・ミトライ
14.三沢厚彦
15.ティモ・ソリン
16.ジュゼッペ・スパニューロ
17.レナーテ・ホフライト
18.ルイジ・マイノルフィ
19.松尾高弘
設置場所・詳細は公式サイトへ。
銀座・有楽町周辺のパブリックアート
岡本太郎《若い時計台》
地下鉄銀座駅近くの数寄屋橋公園に岡本太郎の《若い太陽の塔》が設置されています。
時計台の役目を兼ねている塔で、1970年に製作された大阪万博の《太陽の塔》に雰囲気が似ていますが、こちらのほうが先。万博の4年前、1966年にこの場所に設置されました。
吉岡徳仁《光の結晶》
636個のクリスタルガラスを敷き詰めて製作したきらびやかな壁面アート《光の結晶》。作者は東京ミッドタウン八重洲の《STAR》と同じく現代芸術家の吉岡徳仁。
見る角度によって映るものや色が変わる万華鏡のような美しさ。地下鉄銀座駅のB6出口付近に設置されており、改札から入らなくても見ることができます。
笠置季男《マーキュリー像》
抽象彫刻家の笠置季男による《マーキュリー像》。マーキュリーはローマ神話の12神の一人で、商人や旅人を守護する神とされており、戦火に見舞われた銀座の戦後復興の象徴として地下鉄各駅の入り口に設置されていました。
現存するものは14体で、そのうちの4体が銀座駅構内(銀座四丁目交差点改札、数寄屋橋交差点改札、中央改札)にあります。
大手町周辺のパブリックアート
清水九兵衛《陽甲》
大手町プレイスの北東側の駐車場出入口付近に立つのが、陶芸家で抽象彫刻家の清水九兵衛(七代目 清水六兵衛)による作品《陽甲》です。
逓信総合博物館前に設置されていましたが、再開発のため2018年に現在の場所に移設されました。
清水九兵衛の作品は各地にあり、都内だけでも6か所ほどで見られます。
杉本博司《SUN DIAL》
大手町プレイス 1F西ゲート南にそびえ立つのは現代美術作家の杉本博司による《SUN DIAL》。名前の通り、日時計の役目も持っています。
杉本博司はコンピューターに三次関数の数式を読み込ませて、ハイレベルな工作機械とアルミ無垢材を用いて立体化した作品をいくつか手掛けており、本作品もその一つです。
もととなる数式はプレートに記されています。
アレクサンダー・リーバーマン《イリアッド・ジャパン》
東京サンケイビルの前でひときわ目立っている真っ赤な作品は、ロシア系アメリカ人のアートディレクター・彫刻家のアレクサンダー・リーバーマンによる作品《イリアッド・ジャパン》です。
高さ14m、幅15mの鋼鉄製の巨大なモニュメント。切断された鉄パイプが絶妙なバランスで組み合わされています。
アレクサンダー・リーバーマンは韓国ドラマ『アダマス 失われたダイヤ』や『Mine』のロケ地としても知られる韓国のミュージアムSANにあるシンボル的作品《Archway》の作者としても知られています。
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まとめ
以上、東京・銀座・有楽町周辺にある主なパブリックアート・野外アートを紹介しました。東京は有名アーティストの作品が数多く設置されています。近くに出向いた際にはお見逃しなく。