「新宿とは思えない風景」「大都会東京のオアシス」と評判の新宿御苑。大都会の真ん中にありながら、豊かな自然と風情のある日本庭園、歴史を感じさせる建造物が揃った愛すべき公園です。
私は一度も行ったことがなかったので、今回初訪問をしました。
はじめて新宿御苑に行く人にとっては、その広さがなかなかのクセモノで、限られた時間でどこをどう見て回ったらいいのかわからない、というのが難点だとか。
本記事は「欲張らない新宿御苑見学」ということで、最小限ここだけは見てきたいという場所をピンポイントで回った訪問記です。
「言の葉の庭」の東屋
ほとんどの人は新宿駅から近い新宿門から入るようです。バスタ新宿の前を通って道路沿いにしばらく歩いたところにある新宿門からスタート。
チケットを買って中に入ります。一般は500円です。カメラに×印がついているのは商用撮影が対象。
中に入ると改めて感じますが、この公園は大木が多くて、入った瞬間から圧倒されます。この日はあまり天気がよくなかったのですが、快晴ならどこを撮っても写真が映えそうですね。
入園口に置いてあるマップをもらって、それを見ながら進みます。今回はまず旧御涼亭(台湾亭閣)のほうへ向かいたいと思います。
旧御涼亭方面へ行くには、マップ上のV1→V2→V6と進めば良さそうです。
翔天亭を抜けるかあるいはV5を通って中央休憩所から入るかすればOK。不慣れなので中央休憩所あたりまで行くことにしました。
中央休憩所から庭園のほうへ入っていくと、池の向こうに特徴のある建物が見えました。旧後涼亭です。
旧御涼亭の手前ではちょうど雪吊りの作業が行われていました。
御涼亭へは裏手から入るようです。底からの眺めも面白そうでしたが、今回はパスしました。
旧御涼亭の右手には、外国人観光客が順番に写真を撮っている東屋がありました。
国内外から多くの人が写真を撮りに来るという有名な東屋。新海誠監督の2013年の作品『言の葉の庭』に登場する重要な場所で、海外でも知られているスポットのようです。
アニメ作品を観ていない人でも、ここだけ撮っておけば人から「何で見てこなかったの!」と言われずに済みます。
この旧御涼亭は絵になります。また中央休憩所の裏の芝生から見る風景もおすすめだと思います。庭園のバックにドコモビル(NTTドコモ代々木ビル)がそそり立つ光景は新宿御苑らしさを感じます。
上の池から中の池へ
旧御涼亭がある上の池を散策し終えたら、次は中の池方面へ。
中の池には橋がかかっており、その周辺はこれまた新宿御苑らしい景観美を堪能できるスポットとして人気だとか。
マップ上のS1からS2へと抜けていくルートを歩きました。
道すがら、いい風景に出会います。紅葉には遅かったのですが、それだけに園内が空いていたのでのんびりできます。
中の池の橋から旧御涼亭方向を見た風景。
中の池から下の池方向を見るとこんな感じになります。池はけっこう広いので、水面エフェクトも難なく狙えます。左手にレストハウスがありますが、12月は閉鎖していました。
『言の葉・・・』の聖地巡礼をしたい人は、ここからすぐのところにある千駄木門も見ておいたほうがいいみたいです。
千駄木門から出ると千駄ヶ谷駅まで5分ほどで行けるようです。
大木戸門
まだ時間があるので、中の池から広い芝生を突っ切って大木戸門の方向へ向かいます。
大木戸門の方面へ向かう途中の広い芝生広場には、ひときわ目立つ黄色い葉をつけた巨木が立っていました。
イチョウかと思ったら、巨大なユリノキだそうです。シンボルツリーのようにそびえるユリノキは、紅葉シーズンを過ぎても美しい黄色い姿で出迎えてくれていました。
大木戸門に向かった理由は、門から一旦退出してランチを食べるため。
大木戸門から出ても、チケットを見せれば当日限りで再入園ができます。
大木戸門の脇には旧大木戸門衛所という昔の建造物が残されています。
この大木戸門衛所と新宿門衛所を結ぶ散策路は、新宿御苑に入園しなくても歩ける通路になっています。
通行可能時間:9:00~16:30
閉鎖日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
ちなみに大木戸門から出て左へ少し歩いた場所にあるのが「カフェ ラ・ボエム 新宿御苑」というカフェ・レストラン。ドラマ『失恋ショコラティエ』やアニメ映画『君の名は。』に登場したことで知られています。
このお店は内装が凝っていてテンションが上がりますが、お値段はリーズナブルで良心的。高級感あふれる雰囲気の中で、懐に優しいランチがいただけます。
パスタとサラダとデザートとドリンクのセットにしました。
見た目より量が多くて、バゲット付きにしなくてよかったと思いました。
特にボロネーゼはかなりのボリュームを感じました。
味は人によって好みがあります。私には濃すぎる気がしましたが、濃い味が好きな人にはおすすめなのでは・・・。
それにしてもすごいシャンデリア。このお店は新宿御苑とセットで楽しむと本当にいいですね。
所在地:東京都新宿区新宿1-1-7 コスモ新宿御苑ビル
営業時間:年中無休
・平日 11:30~23:30 (L.O. フード22:30 ドリンク23:00 )
ランチメニュー:11:30~14:00 PASTAセット:14:00~17:00
・土日祝 11:00〜23:30 (L.O. フード22:30 ドリンク23:00)
PASTAセット:14:00~17:00
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玉藻池
ランチのあとは、大木戸門から再入園して玉藻池へ。入園してすぐ、手前右手の大木戸休憩所を抜けると玉藻池があります。
玉藻池は旧内藤家の庭園「玉川園」の面影を残すエリアで、江戸時代より地域住民も一緒に楽しめる憩いの名園として知られていました。
大木戸休憩所で風景を眺めながら一休みすることもできそうです。
玉藻池を見終えたので、今回の新宿御苑初散策は終了。大木戸門から出れば新宿御苑駅まで5分ほどです。
新宿駅に戻る場合は大温室の前を通り、新宿門まで戻ります。
まとめ
新宿御苑の初散策だったので、見たいところだけ見ました。実際の見学時間は1時間30分くらいでした。
12月上旬だったのでシーズンオフ状態でしたが、それなりに人が多くてびっくり。日常的に利用している感じの人もたくさん見かけました。
しかし「都会のオアシス」という呼び名の通り、新宿御苑には癒しを感じます。よく整えられた庭園も良いものですが、開放的な芝生広場の心地よさも捨てがたいものがあります。近くに住んでいたら年間パスポートを買って足繁く通っているかもしれません。
ちなみに新宿御苑の経緯を知らなかったものですから、帰ってきてからまとめてみました。
・「
・内藤清成の賜った土地は「内藤町」と名付けられる。
・7代内藤清枚(きよかず)の時に領地を信濃(長野)に移され、3万3千石の高遠城主となる。内藤町の屋敷は江戸中屋敷となり、庭園は地域の住民の憩いの場となる。
・1698年に幕府は街道の宿駅を造るために内藤家の土地の一部を返還させ、そこに甲州街道最初の宿駅「内藤新宿」を設ける。(現在の新宿の語源)
・明治に入ると領地は政府の管轄となり、農業振興を目的とした「内藤新宿試験場」が設けられる。
・1879年には宮内省の管轄となり、皇室の御料地であり農園でもある「新宿植物御苑」と名前を変える。
・1906年に皇室の庭園「新宿御苑」として開園。
・1949年には国民公園に認定されて一般開放が始まる。
国民公園として解放されて本当によかったと思います。