北海道・美瑛の新名所としてすっかり定着した「白金 青い池」。Apple製品の壁紙に使われたのをきっかけに広く知られるようになり、多くの観光客がその青さを求めて訪れるようになりました。
近年は駐車場も整備・増設され、遊歩道や道の駅びえい「白金ビルケ 」もつくられました。森の奥の一角だった場所が今や一大観光スポットに変貌しています。
美瑛の青い池が思ったほど青くない、という声はよく耳にします。今回はそうした残念な結果にならないために、青い池を青く写すための情報とテクニックについてまとめてみました。
目次
青い池をじっくり撮るなら早朝しかない
青い池はとにかく混みます。ハイシーズンは駐車場渋滞が発生して、近くの駐車場には止められない状態になります。
この混雑を避けてのんびりじっくり写真を撮ろうと思ったら、早朝に行くしかありません。
朝の6時前から人が集まり始めますが、7時くらいまでなら比較的空いています。この時間帯なら好きな場所でカメラを構えることが出来ます。
被写体が被写体だけに、周りに人が大勢いても写真そのものには影響ないのですが、柵に人が多く集まっているとポジション取りもままならなくなります。
第二駐車場からのほうが早い場合も
青い池をしっかりと青く撮影するためには、撮影ポイントも大事です。iPhoneの壁紙のような立ち枯れを撮影したいのなら、なおさらです。
特に初めて行く人はたいていの場合、第一駐車場から階段を登って右側から左方向に進む順路に沿って歩くことになります。歩き始めてすぐ、池が見え始めると「おお、青い!」とシャッターを切り始めるのですが、最も見やすいおすすめのスポットは左端の角付近なので、もっと先へ行く必要があります。
もともと混雑しやすい第一駐車場なのでいろいろ大変。できれば避けたい駐車場です。
実は混雑時のおすすめは第二駐車場。第二駐車場は多少離れていますが、青い池の左側に位置しています。最初から左の奥側から入るようになるため、ストレートにベストポイントに到着できます。
最も青いのは午後一番
青い池の青さの正体は水の中に浮遊しているコロイド粒子。コロイド粒子が太陽光線を拡散させるから青く見えるのが仕組みなので、太陽が高いところから当たってくれたほうが青さが増します。
青さを増した池の姿が見られるのは、午後一番ぐらいの時間帯になるといわれています。
早朝のメリットは空いていることですが、太陽が低いと山や木の影も長くなるため、暗い部分が多い写真になります。
また、ちょうど逆光になりやすい方角なのも問題です。
季節は関係ない
青い池が青く見えるかどうかは太陽光次第なので、季節はあまり関係ないと言われています。ただ、春夏秋ならいつでも青いのですが、冬は雪や氷が邪魔をすることがあります。冬でも雪に覆われていなければ問題ありません。
iOSの壁紙に採用されたケント白石さんの写真も冬です。立ち枯れの樹氷が美しい写真でした。
青さを強調したければ青い部分を撮る
時間や天候がベストマッチで真っ青な池になっていれば言うことはありませんが、そうならないことのほうが多いもの。天候は頑張ってもどうにもなりません。
せっかく苦労して行ったのにあまりいい青じゃないなあと思っても、がっかりしなくて大丈夫。青い部分を撮影する工夫をすればいいだけのことです。裏技といえば裏技かもしれません。
例えば下の写真、早朝でしかも曇りなのであまり青く見えません。
でも曇り空の映った部分を避けてズーム撮影をすれば、青い池の写真っぽくなります。
立ち枯れ部分だけズームで写せば、iPhoneの壁紙には採用されるところまではいかなくても、それなりの青さになりました。
曇り空は白いので、どうしても池が白っぽくなってしまいます。
だから下の写真のようにして、白い部分をできるだけ写さないように心がけるといいと思います。
木とか柵とかを利用して隠してしまうのも良い方法かもしれません。
近付く前の方が青く見えていたような気がするのは、案外そのような理由からなのかも・・・。
全面どこを見ても真っ青、というのなら苦労はしません、青くないなあ、と残念に思ったら、こんな感じのテクニックを駆使し、青い池の青い部分をゲットして帰りましょう。
ついでに訪れたい「しらひげの滝」
青い池まで出かけたなら、せっかくなのでその先の「しらひげの滝」も撮影しに行ってみませんか。
青い池から車で3キロほど登った先にある滝で、橋の上から観覧する名瀑です。晴れると山が見えて絶景な上に、滝つぼも青いので美しい写真が撮れます。
おわりに
以上、青い池の青さを堪能するための情報と、もしも青くなかった場合の撮影方法の工夫についてでした。いかがでしたか。
コバルトブルーだとかエメラルドグリーンだとか評判の名所へ行って、「思ってた色と違う!」と憤慨しそうになったら、「ここはカメラの腕の見せ所だ」と思い直せるようになればいいなあといつも思っています。