福井県には素敵な佇まいのお寺がたくさんありますが、その中でも随一の人気を誇る名刹が小浜市にあります。
凛とした清閑な空気が漂い、異空間を思わせるような雰囲気が人を引き寄せる有名スポット「明通寺」を紹介します。
1200年の歴史を持つ名刹
明通寺の創建は平安時代。征夷大将軍の坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が天下泰平を祈願して806年に建てた寺院とされています。
谷川に沿った斜面に境内を持ち、自然の中に溶け込むように佇む寺院は異空間を思わせる独特な雰囲気を持っています。2015年には日本遺産に認定されました。
国宝指定の本堂・三重塔
鎌倉時代に再建された本堂と三重塔は、福井県内で唯一の国宝建造物です。
この時代の建築様式は装飾が少なくて質素な造りが特徴。決して華やかではありませんが、それがかえって歴史の重みを感じさせる要因となっています。
三重塔の塔内には釈迦三尊像と阿弥陀三尊像が安置されており、柱と壁に十二天などの絵画が描かれています。10月~11月頃には内部を拝観できる場合もあります。
重要文化財指定の4体の仏像
明通寺には木造薬師如来坐像・木造降三世明王立像・木造深沙大将立像・木造不動明王立像の4体の重要文化財指定の仏像が安置されています。
ご本尊である薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)は疾病治癒・延命・医薬の仏とされており、左手に薬壺を持っています。
深沙大将(じんじゃだいしょう)は『西遊記』に登場するカッパ姿の沙悟浄(さごじょう)のモデルとも言われている仏です。
明通寺の本堂では、ご住職から歴史や仏像についての説明を受けることができます。
だるまみくじと薬壺みくじ
明通寺の授与品にはだるまみくじと薬壺みくじがあります。
薬壺みくじは御本尊の左手に乗っている薬壺がモチーフ。中におみくじが入っていますが、拝観の記念品としても人気です。
おわりに
以上、福井県小浜市にある名刹、明通寺について紹介しました。
明通寺は一度その魅力に触れると何度でも訪れたくなる不思議なお寺です。福井県を訪れた際にはぜひ足を延ばして、独特な異空間の雰囲気を味わってみてください。
名称 | 棡山 明通寺 (ゆずりざん みょうつうじ) |
住所 | 福井県小浜市門前5-21 |
アクセス | 舞鶴若狭自動車道『小浜IC』より15分 JR『東小浜駅』下車~タクシーで10分 |
⇒公式サイト | |